薬剤や疾患の分類
研究する際に、薬剤や疾患が客観的に定義されていることが望ましいと思います。
臨床的にも一般的に妥当とされる分類でも、査読者から「何に基づいて定義されたのか?
」と質問されてしまうと、困ることがあります。
KEGGというサイトで様々な分類を参照することができます。
①薬剤
WHOがATCコードで分類
使用頻度が低い薬剤も多く収載されています
*日本のローカルドラッグがない場合もあるので、注意が必要です。
臨床現場のマスタ管理ではこちらが一般的に使われていると思います。
②疾患
データベース研究では病名はICD-10コードしか使ったことはありません。
DPC病名を使った研究は、実際の病名と一致しないと報告される研究も多く、注意が必要です。
対象とする疾患の過去の報告を調べて、どういうコードを採用しているか、そのコードのバリデーション研究があるかどうかは見ておいた方が良いと思います。
実際用いる場合も、そのデータベースの病名がレセプト病名を含むのか、主病名なのかを把握しておくことも重要です。
③有害事象
CTCAE 有害事象共通用語規準
日本語verもこちらから参照できます
あまり使ったことはありませんが、グレーディングができるので、そういう場合に便利かもしれません
Naranjo有害事象因果関係判定スケール
ケースレポートなんかだと、このようなツールを使って確からしさを検証するように要求されることがあります。
ただ、これも評価項目的にはいまいちだと思いますが、他に適したものもないので、やむを得ないかなと思います。
副作用の自発報告データベースではMedDRAという用語集に基づいて、副作用がPT語として定義されています。
PTはさらにSMQという検索式で標準化されており、ある有害事象や疾患のSMQに対して、複数のPTが定義されており、この定義が研究に用いられることもよくあります。
一方で、SMQで定義されたPTと実臨床で遭遇する副作用症状には乖離を認めることも多いため、用いる場合は、臨床的な妥当性をよく考えて使う必要があるかもしれません。
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