論文投稿
ジャーナルの選び方
Pubmedに掲載されていて、かつインパクトファクター(IF)がついている雑誌が良いと思います。
(google chromeにPubmed Impact Factorというツールをアドオンしておくと、pubmed検索時にIFが表示されます)
理由は様々ですが、pubmedに掲載されている雑誌は一定質が担保されていることが多く、また自分の実績もpubmedで一覧になっていると、何かと便利に使えるからです。
できればその領域で権威のあるジャーナルを選んだ方が良いです。同じIFでも権威のあるジャーナルの方がその論文の評価は高くなるように思います。また、そのようなジャーナルは編集者の質も高く、非常に的確に研究を評価してくれる可能性が高いです。
私自身は過去に5つの論文をpubmed掲載がなく、IFがついていない雑誌にアクセプトして頂いたことがあります。当時は経験も少なく、研究内容の質からも妥当な判断だったかもしれませんが、今考えると、その中のいくつかはpubmedに掲載される雑誌に投稿可能だったと思われるので、少し後悔の念があります。ただし、掲載されやすさという面では有利な面もありますので、そういった場合にも考慮しても良いと思います。
これまでのpubmedに掲載されないジャーナルへの投稿経験は、以下の2つです。
・Canadian Journal of Infection Control
無料のオープンアクセス誌できちんと査読もあります。AJICに提出した際にトランスファーされて投稿しました。
・Renal Replacement Therapy
日本腎臓病薬物療法学会の公式英文誌にもなっています。こちらも無料のオープンアクセス誌です。
これらのジャーナルは積極的におすすめというわけではありませんが、どうしても他で掲載されなかった場合は、考慮してもよいのではと思います。
また、医療薬学会の英文誌
・Journal of Pharmaceutical Health Care and Sciences
もIFはついていませんが、pubmedには掲載されます。ただ、掲載料が6万円程度かかるため、注意が必要です。
一方で、pubmedに掲載されている雑誌にも、怪しい雑誌はかなり多いので注意が必要だと思います。その中の多くは掲載料金がかなり高額ですので、私のように資金的に余裕のない方は問題になることが少ないかもしれません。BEALL'S LISTのサイトでは怪しいジャーナルをリスト化しているので、聞きなれないジャーナルはチェックしてみると良いでしょう。
投稿先は、研究開始時にある程度の投稿先候補を見つけておいた方が良いと思います。自分の研究がそのジャーナルの読者にどのように読まれるのか、結果がどのように読者に役立つ可能性があるのかを想定しながら研究を進めることで、自分の研究内容はさらにブラッシュアップされていきます。
英文校正
色々な校正会社がありますが、聞くと皆さん色々なところを利用しているので、特にお勧めのところはないかもしれません。ただし、安ければ品質もそれなり(品質に非常にばらつきがある)だと思います。
最初のころは少し値段が高くても校正者と何度かやり取りできるプランが良いと思います。理由は校正者が理解できなかった部分で、複数回のやり取りが必要になる可能性が高いからです。
わからないところは積極的に質問しても大丈夫です。その方が校正者と意思疎通がうまくいくと思います。初歩的なことでも、親切に教えてくれます。
私は指導教授がThinkSCIENCEという会社を利用していたので、私もそこを利用しています。安い校正会社よりも値段は高めですが、校正の品質は非常に安定していて、よいと思います。自分の文章のスタイルを崩すことなく、よい言い回しで修正してくれている印象です。
COVID-19の流行時に各校正会社が無料キャンペーンを実施していたので、利用させていただきました。資金が潤沢にあるわけではないので、とても助かりましたが、やはりそれなりの品質だったので、個人的にはある程度の費用をかけてきちんとした校正に出したほうが良いと思っています。(英文がきちんと書ける方は、最低限の校正でよいと思います)
投稿
英文のジャーナルへの投稿は、最初はハードルが高く感じられるかもしれません。
特に投稿システムは色々な項目を入力する必要がありますが、慣れてくるとそれほど負担にはならなくなります。
投稿規定で書式を確認する
表紙:著者氏名の書き方(1列に書くと指定されている場合もある)
利益相反、資金、著者の貢献、倫理審査、データ利用可能性ステートメントなどは表紙に指定されている雑誌と、Disucussionの後に記載する雑誌があります。
論文によっては、要旨以外に臨床的有用性や発見した内容を数行の箇条書きで書くように求めているところもあります。
要旨:構造的か非構造的か、構造的な場合は指定されている項目の用語を使用する(Background, aimなど)、指定されている文字数以内になっているか
Introduction~Conclusionまで規定された項目になっているか
迷った場合は、公開されている論文を参照します。
引用文献の書式
リジェクト後に別の雑誌に再投稿する場合は、Mendeleyなどの引用文献ソフトを用いて、雑誌が指定した引用文献の書式に変更します。
多くの場合、雑誌専用のcitation style languageが無料でダウンロードが可能です。
まれにAMAスタイル(米国医師会スタイル)など雑誌特有のスタイル以外で指定されていることがあるので、その場合は指定されたスタイルに変更します。
citation style はこちらのサイトで多くは無料でダウンロード可能です。
*論文名とcitation styleでググるとよいです。
Mendeleyの"Get More Styles"タブを選択し、下部の"Download style"に上記サイトで指定されているURLを貼り付けると、その雑誌のスタイルがダウンロードされます。
*Mendeleyの注意点
たまにJornal articleではなくGenericという分類でデータが取り込まれていることがあり、引用スタイルが正しく表示されないことがあるので、注意が必要です。
また、ジャーナルがDOIの非表示を推奨しているのに、表示されてしまうことがしばしばあります。これはMendeleyのCSLエディターで編集できるようですが、個人的にはここを編集するのは面倒なので、Mendeleyに取り込んだデータのDOIを削除しています。(引用文献が多い場合はCSLエディターで編集したほうが良いと思います)
査読者の推奨など
私は必須でない限りは、査読者は推薦することは少ないです。
編集部から連絡がこないとき
通常2か月以内に査読の結果が返ってきます。まれに半年以上かかってしまうこともあり、たいていは内容が充実していない論文のことが多いのですが、わざとかなと感じてしまうことがあります。
編集部への催促は2か月を超えたらするという方もいますし、ずっとしないというスタイルの研究者もいます。個人的には2か月で催促してよいのかなと思っています。
私はEditageのサンプルテンプレートを参考に作成しています。
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