Introduction


完成したDiscussionを参考に、研究で明らかにしたことの価値が高まるような記載が必要です。

このパートもDisucussionと同様にパラグラフの流れは重要なポイントの1つです。

これからイントロを書こうとされている方は、おそらく膨大な先行研究のデータを持っていることだと思います。ただし、それらすべてイントロに書くことはお勧めできません。持っているデータの中から重要なもの、トピックに関連するものだけに厳選する事も必要です。

最初のパラグラフは、いきなり本題から入るよりも、簡単な臨床的な背景を述べておくことも重要です。 投稿する雑誌が専門誌なら、専門的な話題から入ることができますし、広いトピックを扱う雑誌ならより一般的なトピックから書き始め、その後に重要なトピックに焦点をあてていきます。

よく言われることですが、「読者を想像する」ということが大切です。 でも国外の雑誌に投稿する場合は、読者を想定するというのは難しいですよね? これは私の経験に基づいた考えですが、薬学の臨床系の雑誌なら、自分の周りにいる知識や経験が比較的豊富な薬剤師が読者であることを想定すると良いと思います。ただし、いくら経験豊富だからと言っても、書き始めが専門的すぎると唐突感が強すぎますので、投稿する雑誌の類似論文を参考にすると良いと思います。

 Introductionの構成は査読に大きく影響しますので、細心の注意を払って記載する事が重要です。以下に2パラグラフで構成する場合内容を概説します。必要に応じてパラグラフは増えても良いと思いますが、通常3つくらいまでにした方が良いと思いますし、初学者の方は2つを意識した方が、シンプルに重要なトピックが強調できて良いと思います。


1stパラグラフ 全体背景~研究のトピックに関連する病気や薬に関する臨床的重要性

研究テーマである病気や薬の一般的な位置づけ、また罹患者数や重症度が高いこと、薬の使用量が増えているなど注目すべき点があれば記載しておくと良いと思います。次のパラグラフの前振りとしての情報であることを意識します。


2ndパラグラフ 本研究テーマの意義

研究テーマに関して明らかになっていることを簡単にまとめ、明らかになっていないこと(本研究で明らかにしたこと)を明確化します。また、本研究で明らかにしたことの臨床的重要性を記載して、研究意義があることをアピールします。


引用文献の選び方

なるべく権威のある雑誌から、かつ新しい論文を引用した方が良いです。逆に怪しいジャーナルの引用はかなりのマイナスポイントになる可能性があるので、引用する雑誌は気をつけましょう。質の高いジャーナルほど、イントロで引用している論文の質のチェックは厳しくなります。


実際の書き方

イントロダクションの書き方の注意点をまとめましたが、書きながらこれらを意識するのは難しいです。とりあえず自分の頭の中にあるものをイントロダクションとしてまとめてみて、その後に理論構成や文章の流れを見直す方が良いと思います。もったいないと思っても必要性の低い部分を大胆に削除することで、伝わりやすいイントロダクションになっていくと思います。


【チェックリスト】

□最新の重要な報告はおさえてあるか

□唐突に始まっていないか

□研究内容の臨床的意義は説明されているか

□必要に応じて具体的な数値を示し、曖昧な表現にならないようにしているか

□研究に関連性の低い記載がないか

□引用文献は権威があり、かつ新しい論文を引用しているか

□パラグラフの流れ、イントロダクション全体の流れは自然か

□不必要な接続詞を繰り返していないか(in addition, further, moreoverなど)

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