査読


雑誌にフィットするようなコメント

査読はその雑誌にフィットするような内容でコメントする必要があり、一律に研究の質だけを評価するだけでないところが難しいところです。完璧な研究はないため、ジャーナルの質の範囲内で許容出来るlimitatioかどうかで判断しています。


また、日本語の雑誌では、初学者の方も多いので、アドバイス的なコメントをすることも多いです。リジェクトだとしても次につながるようなコメントをしたいと思っています。


英文の査読

国外の英文誌からも査読を依頼されることがありますが、私のところに来るようなのは、「内容的にはリジェクトだけど一応査読しておいてね」的なものが多いです。それでも、新しい視点を学べますし、海外の臨床の状況なんかもわかりますし、何より日本国外の研究者も英語が苦手だったり、論旨の組み立て方が不十分だったりして、世界中の人たちが研鑽しながら研究をしていることを実感できることは、とても良い経験になります。


国外からの査読依頼は、特にIFが低めの雑誌だと投稿した時に依頼されることも少なくありません。自分の論文が審査中だと、査読依頼はかなり断りづらいです。


以前は少し専門から外れた論文は、査読を断っていましたが、最近は断ることはほとんどないです。ただし、ハゲタカジャーナルのような怪しい雑誌からの査読は受けていません。

断らない理由は、何かしら自分が得られるものがあるということ(方法論であったり、考え方であったり、国外の臨床の状況であったり)が主です。


英文の査読方法も決まったものはありませんが、最初にざっくり読んで、最低あと2回程度は全体をじっくり読みながら、コメントを書きます。完璧な査読はないと思いますので、自分が判断がつかない部分は、もうひとりの査読者に託します。


メタ解析の論文も何度か査読したことがあります。自分でメタ解析したことがないのに査読できるか心配でしたが、臨床的な観点からコメントできることも多いと思います。


最初の頃は校正コメントも英文校正に出していましたが、今はGrammarlyでのチェック程度にしています。


個人的には月に1報は英文の査読ができると良いかなと思っていますが、今は平均すると2~3ヶ月に1回ペースです。査読の依頼もどんどん来るように、まだまだ研鑽が必要です。


査読コメントに役立つ表現

英語論文の査読表現集

査読の作法






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