副作用データベースの違い
最近、FDAの副作用データベースFAERSの解析もはじめました。
データベース構築
FAERSはデータ量がとても大きいので、昨年買った新しいノートパソコンではデータ処理ができませんでした。結局、新しいデスクトップパソコンを買ってしまいました。追加の痛い出費で、DELL Vostro 3681を購入。メモリが多くないと処理が追いつかなかったです。このパソコンでもデータベース構築時はかなりギリギリでした。 ただ、これは使用するデータベースソフトに依存しますので、軽いソフトを使いこなせる方は、もっと軽いスペックのパソコンで良いと思います。
おかげでなんとかデータベースを構築できました。データ量も多かったので、待ち時間も多くて、本当に大変でした。その甲斐あって構築できたデータベースは、日本のJADERとは比べられない程のデータ量は、驚きでした。
JADERとFAERSの違い
①基礎疾患
基礎疾患情報はFAERSにはなさそうで、INDIに投薬されている薬剤の使用病名のような形でデータがあります。JADERには原疾患という項目があり、これもすべてを網羅しているわけではありません。
この中で慢性腎臓病という定義で、腎障害や透析という原疾患を検索してみると
JADERは65万件の副作用報告のうち、2万7000件程度(4%)がCKDでした。
FAERSは1000万件の副作用報告のうち20万件程度(2%)がCKDでした。(14Q3-21Q1データ)
単純比較はできませんが、日本のJADERのほうがしっかりとCKDを報告しており、日本人の几帳面さを反映しているのかななんて思いました。
CKDを比較するのは、FAERSよりもJADERのほうが優れているかも知れません。
②薬剤の使用状況
あたりまえの話ですが、日本と日本国外では薬剤の使用状況が異なるので、報告される副作用の薬剤のボリュームも異なる場合があります。
スルピリドに関する副作用は日本国内の報告は多いですが、FARESでは報告が少ない状況があり、日本以外ではあまり使用されていないことが推測されます。同様にARBなんかもJADERのほうが数の有意性はあるかもしれません。
日本と日本国外の状況を把握することで、それぞれのデータベースの使い分けが上達出来るかなと思っています。
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