メタ解析の種類

メタ解析ってrandam-effect modelとfix-effect modelしか知らずにRevManで解析していました。

基本的にはrandam-effectを使うべきなのかなと思っていて、この1択でした。

今回3報目のメタ解析論文では、Executive Editorからそんな知識不足を見透かされたようなコメントを2つ頂きました。

とても勉強になったので、参考文献などと併せてここに残しておきます。


コメント1

Meta-analysis model: the authors do not describe what type of random-effects model was used. The most common model (DerSemonian & Laird) is not appropriate for this study, given the small number of studies of varying sample size. In this setting, the method described by Hartung, Knapp, Sidik and Jonkman (IntHout J, et al. BMC Med Res Methodol. 2014 Feb 18;14:25) should be used.

つまり、Nが少なくて信頼性が低い可能性があり、補正した解析をしろってことのようでした。


通常RevManなどで採用しているrandam-effect modelはDerSimonian -Laird(DL法)と呼ばれるものを使っており、ある程度組み入れる論文数があれば、これでやって問題ないかと思われます。


一方で、組み入れ論文が少ない場合は誤って有意になってしまう可能性が高まるため、補正が必要とされています。その1つがHKSJ法です。

JAMAに掲載されていた論文だと、Nで使い分けているものがありました。(組み入れが3以下の場合にfix-modelを使用)

Rの"meta"パッケージを使えば簡単にできます。

解析時にmethod.random.ci = "HK"のコードを加えるだけです。

*参考解説ページ Doing Meta-Analysis in R

*"meta"パッケージ解説PDF General Package for Meta-Analysis



コメント2

 The authors pool estimates on the relative risk scale, but include studies that have zero outcome events in one or more groups. How were these zero values dealt with? In this scenario, an analysis of risk differences would be preferred.

こちらは0を含んだ研究がどのように処理されたか、Risk ratioではなくRisk differenceで解析すべきというコメントでした。




メタ解析ってPRISMA protocolに従っているので、基本的には方法論的な部分の査読コメントは少ない印象です。方法論でクリティカルな査読コメントが入ってしまうと、最初から解析しなおしといった大変な作業になる可能性もあると思います。そういった側面からは書きやすい論文なのかなと感じています。


テーマが重要であれば、ネガデータでも掲載してくれる可能性も高く(Mitsuboshi et al, BJCP)、テーマ選定も大切かもしれません。


最近、このあたりのレベルの雑誌のassociation editorから教育的なコメントをもらうことが何度かありました。今回紹介したものもその1つで、数行のコメントに膨大な情報量が入っており、再解析するのは大変なんですが、得られるスキルも大きいです。たぶん、素晴らしい研究者なんだろうなと思いながら、そういった先生方に教わる機会を持てたことに感謝です。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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