2024年のアクセプト
2024年11月24日現在
論文数89報(筆頭54報)
- Pubmed掲載論文 55報(1st 40報)
- Pubmed非掲載英文 5報 (1st 5報)
- 和文 29報 (筆頭9報)
2024年は筆頭5、共著2
投稿中は筆頭2、共著1
CKDにおけるSGLT2iの有害事象
CKDを対象としたSGLT2iのRCTはStage1-2もincludeしていることが多いですが、この患者群ではeGFRが低下していないため、感染や有害事象リスクは大きくない可能性が考えられました。
そこで、eGFR 60未満のRCTのみを対象としてメタ解析してみました。
- 11 RCTsのSRMA
- CKDステージ3(eGFR 60未満)を検討
- UTI RR 1.03 (0.94-1.12)や筋障害 RR 0.69 (0.41-1.17)の増加なし
- 脱水は増加傾向 RR 1.15 (0.98-1.35)、特に循環器疾患の併存でリスク高 RR 1.21 (1.06-1.39)
CKDを対象とした多くのSGLT2iのRCT/メタ解析は、CKDステージ1/2もincludeしています。
一方、有害事象リスクが高まるのはCKDステージ3/4/5の患者群であり、私たちの研究では中等度~重度のCKDにフォーカスしてSGLT2iの有害事象を評価しました。
日本腎臓病薬物療法学会のSGLT2阻害薬患者指導箋の作成メンバーでメタ解析を実施した論文をアクセプトいただきました。
4リジェクト、5雑誌目の投稿でアクセプト
2023年10月投稿、2024年11月アクセプト(4か月)
各MRAにおける腎障害リスク
- 33 RCTsのSRMA
- KDIGO評価によるAKI発生は有意な増加なし RR 1.13 (0.88-1.46)、各薬剤のサブグループも差なし
- 一方、血清クレアチニン増などの緩い基準での腎障害リスクは有意に増 RR 1.52 (1.24-1.87)
- 特にカンレノン RR 5.39 (2.17-13.37)、スピロノラクトン RR 1.78 (1.48-2.14)で有意な増加を観察
- エプレレノンやフィネレノンではこれらの増加は観察されず
- カンレノン、スピロノラクトンが潜在的に腎障害に影響している可能性
7リジェクト、8雑誌目の投稿でアクセプト
2024年6月投稿、2024年10月アクセプト(14か月)
NSAIDsに適した消化器系有害事象の予防薬(AKIと消化管出血のトレードオフ)
NSAIDsの消化管出血予防に対するPPI治療について、状況によっては消化管出血予防よりもAKIリスクが上回る可能性を報告しました。また、ミソプロストールが有望な薬剤である可能性にも言及しています。
- 観察研究 JMDC 11,688名の解析
- PPI vs H2RA vs ミソプロストール
- AKI発生は 1.1%、0.5%、0%
- 消化管出血は0.3%、0.2%、0%
- NSAIDs+PPIでAKIリスク80%増
- 消化管出血よりもAKIの方が発生頻度大
- 過去の研究でもPPIの消化管出血予防NNTはリスク高で10、リスク低~中で100-268と、消化管出血リスク中~低群ではAKIリスクが上回る可能性
- ミソプロストール群はAKI発生がなく、Nは少ないが有望な薬剤の可能性
- 解析はベースラインの共変量をIPTWで調整し、さらにCox回帰分析で全ての共変量を調整するdoubly robust methodで実施しました。サブグループ解析でも一貫したHRが得られており、統計学的には有意ではありませんが、NSAIDs+PPIの併用によるAKIリスクの上昇が示唆されています。
4リジェクト、5雑誌目の投稿でアクセプト
2023年11月投稿、2024年10月アクセプト(12か月)
Concomitant use of lansoprazole and ceftriaxone is associated with an increased risk of ventricular arrhythmias and cardiac arrest in a large Japanese hospital database
セフトリアキソンとランソプラゾールの併用は心室性不整脈と心停止リスクを増加させる
- 観察研究 約100,000名の解析
- 死亡は心室性不整脈や心停止の競合リスク因子として解析
- セフトリアキソン+内服 or 注射ランソプラゾール群では心室性不整脈リスクおよび心停止リスクが有意に増
- 対照のスルバクタム/アンピシリンではこの現象は観察されず
- 内服のPPIではランソプラゾール以外でも不整脈リスク増は観察されず
- セフトリアキソン+注射用オメプラゾールでも心室性不整脈リスク増、日本での注射用オメプラゾール投与量が大きいことが原因かも
2リジェクト、3雑誌目の投稿でアクセプト
2024年2月投稿、2024年6月アクセプト(5か月)
Association Between the Dose of Tofacitinib and Risk of Herpes Zoster in Patients With Rheumatoid Arthritis: Analysis of Japanese Adverse Drug Event Report Data
トファシチニブと帯状疱疹
- JADERの解析
- 帯状疱疹は女性、MTX併用で増
- 10→5mg/日に減量でリスク低下する可能性
CKDの減量基準遵守で帯状疱疹リスクが低下できる可能性
Association between roxadustat use and suppression of thyroid function: a systematic review and meta-analysis
ロキサデュスタットと甲状腺機能
- RCTと観察研究のSRMA
- ロキサデュスタット vs ESA
- 甲状腺機能低下はロキサデュスタットで有意に増 OR 6.45 (3.39-12.27), I2=12%
各DPP4iとAKIリスク
- RCTのネットワークメタ | 29 RCTsの解析
- シタグリプチンのみがAKIリスク増と有意に関連 RR 1.65 (1.22-2.23)
- ただし、上記結果は心臓手術の試験結果の影響大で、これを除外するとAKIリスクに差なし
- DPP4iはAKIリスクには影響しなそうだが、心疾患がある場合シタグリプチンは注意が必要かも
13リジェクト、14雑誌目の投稿でアクセプト
2023年7月投稿、2024年4月アクセプト(10か月)
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